「アドゥリンショック(2013年4月)によりユーザが激減した」とは言われていますが、筆者はヴォイドウォッチ終了直後(2012年5月)から星唄2章実装(2015年8月)まで引退していたので、そのときの状況を知りません。
当時「ビシージが起きれば、定員700人のアルザビに入れない人が続出していた」けれど、今は「/sea allしてもアルザビに全員入れる」タイミングもあることから、激減しているのはわかりますが、「10年経ってゆるやかに減っていった」と「あるアップデートで一気に人が辞めていった」では訳が違います。
一体どれだけ人口が減ったのか?というのは公式フォーラムへの開発運営の投稿数推移と異なり、完全にゲームサーバの持っているデータなので、そう簡単にデータソースにすることはできません。
データソース
ところが、(敢えてリンクは貼りませんが)FFXI Auction Houseというデータベースとコミュニティサイトには、競売での取引数、取引キャラ数、そして「アクティブと考えられるキャラ数」を集計しているページがあります。このページがどのタイミングで更新されているのかわかりませんが、仮にリアルタイムとすると現時点での「アクティブと考えられるキャラ数」は把握できます。その一方で、過去のデータを引き出すことができません。ではどうするか…と考えたところ、集計ページを Internet Archive: Wayback Machine にかけることを思いつきました。当然すべての期間を保持しているわけではありませんが、だいたいの傾向をつかむことはできるでしょう。…ということでやってみました。
グラフ
免責事項: これは非公式サイトが不明な方法で集計しているデータであり、実際の数値とは異なる不正確な内容である可能性があります。そのため、筆者は内容の正確性を一切保証しません。以降、実際の数値と一致している前提で論を展開していきますが、そもそもその前提が間違っている可能性があります。情報が不正確であることにより生じた間違いに関しても筆者は何ら責任を負いませんので、ご了承の上ご利用ください。
推移
- 2010年
- 「アルタナの神兵」完結
- 「アビセアメインクエスト」完結
- 2011年
- 2月、バージョンアップ規模縮小発表
- ここで一気に落ち込みが見られます。アルタナもアビセアも終わった後でこの告知なら致し方ないといったところでしょうか。
- 5月、「ヴォイドウォッチ」実装、「デュナミス」リニューアル、ワールド統合
- 大幅に人が戻ってきた…というより先の落ち込みの数字が少なすぎるんじゃないか?という気がします。
- ワールド統合により強制改名が実施され、見た目上アクティブと考えられるキャラが激増した可能性が非常に強いです。
- そのため、この2010〜2011年の谷と山は信頼性が低いように思います。
- 以降、どんどん人口が減っていっています…。
- 2012年
- 「ヴォイドウォッチ」完結
- 「新ナイズル」、「レギオン」、「リンバス-II」、「エインヘリヤル-II」、「ミーブル・バローズ」、「サルベージ-II」それぞれ実装
- 6月には「アドゥリンの魔境」の発表があったのですが、全体的に人口減が止まりません。
- 2013年
- 3月、「アドゥリンの魔境」実装
- 2012年末から、ここにかけては少しずつ人口増が見えていましたが…。
- 4月、アドゥリンショック(メナスショック)
- 実際のグラフとして見ると物凄い落ち込みです…。補完線ではないので、実際に人口が激減したことが見て取れます。
- 11月、「RMEのIL119打ち直し」実装
- ここでようやく下げ止まったようですが、元通りになることはありませんでした。
- さすがにCL/ILの実装順番がメチャクチャだったことと、RMEの打ち直し実装が遅過ぎたんでしょう。
- 3月: スカーム1(CL105)、ワイルドキーパーレイヴ(CL106)
- 4月: メナスインスペクター(CL110〜119) ←★なぜここにした?
- 8月: スカーム2(CL113)
- 11月: RME打ち直し(IL119)
- 翌年2月: スカーム3(CL119)
- 翌年3月: メナスインスペクター2(CL122〜128)
- 12月、「フェイス」「エミネンス・レコード」実装
- 2014年
- 後半に人が戻ってきていますが、翌年にはもう元に戻ってしまっています。11月にアドゥリンミッションが完結したせいもあるでしょうか?
- 2015年
- 3月、「ヴァナ・ディールプロジェクト」発表
- ここからはどんどん下がっています。
- 5〜11月、「ヴァナ・ディールの星唄」実装
- 持ちこたえるか…と思ったらそうでもないです。
- 9〜10月、一気に減っています。
- 11〜12月、「イオニックウェポン」実装のためか一応持ち直していますが、翌年にはまた減ってしまっています。
- 2016年
- 3月、PS2とXBOX終了
- 4月、「アンバスケード」実装
- 5月、「マスタートライアル」実装
- 7〜10月、大きな谷ができています。ここもアドゥリンショックと異なり補完線ではないので落ち込みがすごいです。
- 11〜12月、元に戻っています。12月「オーメン」の実装がありましたがそれだけで大幅に戻るとも思えませんが…。
- 2017年
- 5〜6月、大きな山ができていますが、新コンテンツの実装などはなく、謎です。すぐ元に戻ってしまっていますし…。
- 2017年5月は15周年でした(2023/8/7追記)
- 11〜12月、「デュナミス-ダイバージェンス」実装
- 小山ができていますがまた下がってしまっています。
- 2017年11月は15周年の11の月でした(2023/8/7追記)
- 2018〜2019年
- この時期はデータがあまりありません。しかし、人口はやや増加傾向にあります。
- 2020年
- コロナ禍
- 3月、「オデシー」実装
- 8月、「蝕世のエンブリオ」開始
- 直後の9〜12月に谷があります。
- 2021年
- 1月、「ジェール」実装
- 11月、「MLv」実装
- この時期もデータが飛び飛びでギザギザになっていますが、前年に続き増加傾向と見てよさそうです。
- 2022年
- 1月、「ジェールV20」実装
- 4月、「AMANトローブ」リニューアル
- 5〜6月に山があって、また下がっていっています。
- トローブリニューアルの影響?
- よく考えたら2022年5月は20周年でした(2023/8/5追記)
- 8月、「ソーティ」実装
- ここからは下がっていっています。
- 2023年
- 5月、「蝕世のエンブリオ」完結
- 7月、「プライムウェポン第4段階事件」発生
考察
アドゥリンショックは、筆者が辞めた契機になったヴォイドウォッチよりもすごい坂が起こった、と考えるとそりゃショックと言われるよな…といった感想です。そして今でもヴォイドウォッチは過去最悪のコンテンツだと思ってますが、その認識は間違ってなかったなと再確認できました。
そして今「蝕世のエンブリオ」完結や「プライムウェポン第4段階事件」発生により、再び人口減の状況が現れてきているようです。これまでは底を打ったり何だかんだである程度までは持ち直してくるということを繰り返して一定水準の人口は保ってきていましたが、本稿執筆時点で「アクティブと考えられるキャラ数」は記録が残っている分では過去最低となっています。かつてないほど開発規模縮小が明言されている現状、これから一体どうなってしまうのでしょうか?